Augusto Caraceni was born in Milan on August, the 8th 1960, where he lives with his wife and two sons. After graduating from medical school at the Università degli Studi di Milano in 1985, he was board certified in Clinical Neurophysiology (1988) and in Neurology (1993) at the Università di Pavia. While training in pain therapy and in palliative care at the National Cancer Institute of Milan in 1986 with Vittorio Ventafridda, Dr Caraceni participated in the WHO program to test and disseminate the WHO ladder for cancer pain relief. He was also a Clinical Fellow in Neurology and Palliative care at Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, in New York in 1994.
Main previous office was the vicepresidency of the European Association of Palliative Care 2006-2010
His clinical and research experience include the palliative treatment of advanced cancer, neurological complications of cancer, cancer pain classification assessment and treatment with particular attention to opioid analgesics, and symptom control with a special interest in delirium.
He is the author of 125 scientific articles in peer reviewed indexed journals, and of more than 80 other publications. With Luigi Grassi, he published the monographic book, “Delirium: acute confusional states in palliative medicine”, Oxford University Press 2nd ed 2011.
Milan September 1st 2013
がん性疼痛に対するオピオイドの使用に関するEAPCガイドラインは、1980年代におけるWHO方式がん疼痛ラダーの普及に引き続いて進歩してきている。治癒不能のがんにおいて痛みの緩和を焦点とすることは、医学における臨床の一領域としての緩和ケアという学問の中で、専門的能力の基盤となる。EAPCオピオイドガイドラインは、Geoffrey Hanks と Franco De Connoの主導によるEAPC研究ネットワークの最初に始められた仕事の一つであった。1996年より、EAPCは、がん性疼痛に対するモルヒネや他のオピオイドの使用法についての推奨を3版発行した。2012年に出版された最新版では、EU(欧州共同体)の第6期枠組みプログラムによって資金調達された国際的専門家の調査団の報告に基づいており、幾つかのエビデンスに基づいた推奨を示したGRADE systemを適応した。この推奨では、患者ケアの重要な見方をアートの側面として示している。このガイドラインでは、幾つかの国際的研究グループや臨床関係者らが含まれ、専門的文献検索がなされ出版された。オピオイドの推奨は、16トピックスにわたり、ステップ2やステップ3オピオイドの役割、重度のがん性疼痛に対する第一選択のオピオイドのこと、オピオイド・タイトレーションやレスキュー・ドーズの使い方、メサドンや経皮吸収型オピオイドの役割、オピオイドに加える鎮痛補助剤やNSAIDsの使い方、投与経路で非経口的方法、脊髄経路による使い方、オピオイドの副作用対策の理論的説明や腎不全患者に対するオピオイドの使用法などについて述べられている。これら全体の成果は、全ての専門的そして専門的でない使用者に提供されること、共通の場面(状況)で我々が確立した実績を論議することなどを目的としている。この分野で我々のガイドラインが一般的な枠組みに優先的に取り入られることは、大部分の国営、国際的、民間、公共的な機関や協会で、ほとんどないのが現状である。まさにこういった理由で、EAPC研究ネットワークやEPCRC(欧州緩和ケア研究センター)はこのガイドラインを現在も継続して確約することを承認している。がん性疼痛ガイドラインの運営グループは、現在、EAPCガイドラインの次のヴァージョンを再編、更新する作業を行っている。この新ガイドラインでは、がん性疼痛の全体的なマネジメント(アセスメントや分類を含む)についてオピオイドの使用を超えた範囲にわたって拡げることになるであろう。そして、非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs、ケタミン、医療大麻類)や前のガイドラインでは含まれていなかったオピオイド(タペンタドール)を含み、痛みのコントロールにおける緩和的がん治療の役割(放射線照射、化学療法、ビフォスフォネート製剤、デノスマブ;抗RANKLモノクローナル抗体)、侵襲的麻酔科学的手段の役割などにも言及するであろう。治癒不能のがんにより痛みを伴う患者のニーズに重点をおくためにEAPCの公約は、緩和ケアの国際的認知度を強める機会をもち、世界的で国際的な協同のために公開されたものになっている。
(邦訳:小池和彦)